仕事にやりがいを感じている方は、わずか18%しかいない。これは、私が起業した2008年のデータです*1。残念ながら、直近の各種調査でも、日本人の仕事のやりがいが低いことが示唆されており、その状況は変わっていないようです。
仕事にやりがいを感じる人を増やし、人生を通じて「自己実現」する人を増やしたい。これは、私が学生時代に起業してから変わらない想いであり、当社のミッションでもあります。
高度経済成長期には、優良な会社に入社し、上司の方針に従いながら、その会社で勤め上げることが理想のキャリアとされていました。しかし、その幻想はバブルの崩壊と共に崩れ去りました。
会社が私たちの人生を守ってくれないことがいよいよ明らかになった2000年代には、「成果主義」がもてはやされました。実力をつけて、場合によっては転職を繰り返しながらキャリアアップすることを目指す人が増えました。
しかし、この文章を執筆している2022年8月時点では、成果主義の働き方を社会に広げていくことが、必ずしも一人ひとりの幸せにつながらないのでは、と感じる人が増えているように思います。
会社はどのようなキャリアを従業員に提示すれば良いのか、一人ひとりはどのように生きればよいのか、この深淵なる問いに対する答えが、今、求められていると感じます。
私は、その問題を解決するためのヒントが「ウェルビーイング」の実現にあるのではないかと感じています。ウェルビーイングとは、心も身体も健康で社会的にも良い状態にあることを指します。もう少し簡単に言うと、自分自身の人生に対して「何か良い感じだ」と感じられる状態のこと、と表すこともできるでしょう。
実は、ウェルビーイングを実現することは、一人ひとりの人生にとっても、企業の経営にとっても良い影響があることが分かってきています。例えば、ウェルビーイングな社員は、そうではない社員に比べて離職率が37%低い*2ことが分かっています。また、生産性が31%高く*3、創造性も3倍高まる*3、というデータもあります。
つまり、一人ひとりがウェルビーイングな状態であれば、業務上も良い成果が上がり、ひいては仕事のやりがいの向上や自己実現にも繋がる、ということなのです。
勿論、会社にとっても、一人ひとりが幸せで、成果を残し、離職も減少するのであれば、良いこと尽くめです。
私たちは、「ミキワメ」のHR Techの技術を通じて、人の性格や心の健康状態など、可視化が難しい人の内面を可視化することができます。
そして、そのデータを元に、様々なご支援を行うことができます。
各企業で活躍できるピッタリの人材を紹介することができます。候補者の活躍予測度を表示して、選考判断の向上をご支援できます。社員の心の健康状態や休職・離職リスクの高い社員を可視化したり、そのメンタルケアの方法をレコメンドしたりすることができます。
人の内面の情報を元に、一人ひとりが成果を残せる働き方を提示し、働きがいを向上させ、ウェルビーイングを実現する。そして、自己実現できる人を増やしていく。これが私たちの取り組みです。
また、今の「ミキワメ」の技術の延長線上で、さらに一人ひとりのウェルビーイングを向上させるための機能をリリースいたしますので、是非楽しみにお待ちいただければと思います。
最後になりましたが、「ミキワメ」が成長を続けられているのは、多くの皆様からのご支援のお陰です。お客様、ユーザーの皆様、株主様、社員のみんな、その他多くの関係者の皆様に心から御礼を申し上げます。
皆様のお力をお借りして、「ミキワメ」を世の中に広げ、ウェルビーイング、ひいては自己実現を増やしていきます。
代表取締役社長
飯田 悠司
*1 2008年 内閣府「国民生活選好度調査」による
*2 Donovan, 2000 Do Happier Employees Really Stay Longer?(David Wyld Southeastern Louisiana University)
*3 *4 Lyubomirsky,King,Diener,2005